2022.01.11 トピックス 【経営学部】NEWLYBORNプロジェクト~学生のランチタイムの充実と店舗の売上アップにチャレンジ~(徳丸ゼミ) キャリア?就職 学生生活 教育?研究 社会連携

経営学部でのPBL(課題解決型学習)の取り組み

経営学部、徳丸ゼミの3年生は現在、大学キャンパスの近隣にあるパン屋「NEWLY BORN」との協働プロジェクトを進めています。
 
 
 大学近辺にありながらも、学生の集客に課題を感じている「NEWLY BORN」からの、「学生にパンをもっと食べてもらいたい」という要望を受け、徳丸ゼミの学生がこの課題解決へ挑戦することに。PBL(課題解決型学習)に取り組むにあたり、まずは、情報を収集し分析することで、「どこに課題があるのか」を知り、考えることが重要となります。そこで徳丸ゼミでは、在学生へのアンケート調査とブレーンストーミング調査を行いました。

 

これまで学修した分析手法を活かし、課題を探る

 在学生の昼食事情に関するアンケート調査では、昼食にかける時間や予算の観点など、学生目線の多彩な意見が集まりました。また、実際の商品を分析し、課題を出し合うブレーンストーミング調査では、成分表示などの「情報不足」や、パン生地がこぼれやすいといった「食べにくさ」など、30以上の改善点や意見が上がり、それらをKJ法¹を使って分類?整序し、課題を明確化させていきました。
 
 これまで理論として学んできた分析法を用いて、NEWLY BORNの抱える問題を解決するためには、?パンを通じて学生のランチタイムをより豊かにする?という目標設定が必要との結論に至りました。そこで、課題解決に向けてマルチサイド?プラットフォーム²型事業システムの構築にチャレンジ。「戦略本部」「製品開発部」「販売促進部」「流通システム部」「価格システム部」などのセクションに分かれ、それぞれの視点から、さらに踏み込んだ課題解決案を出し合いました。



?用語解説?
1.KJ法
断片的な情報やアイデアをグループ化し、情報を整理することで、問題解決の糸口を探る手法


2.マルチサイド?プラットフォーム
1つの場に、複数の顧客をつなぎ合わせることで、新しい価値を創出するというビジネスモデル


 

学生と店舗をつなぐプラットフォームの構築


 まず取り組んだのが、学生と店舗をつなぐプラットフォームの構築。学生主体で運営するNEWLYBORNの公式HPと連動したアカウントを立ち上げ、予約販売や商品情報の開示、電子決済など、分析時に上がった「ランチタイムに学外に出る時間がない」「アレルギー表示」がないといった課題にアプローチ。
 
 また、各セクションから発信されたアイデアも取り入れていきました。製品開発部では、LINE上のメニューに「意見箱」を設置するというもの。学生が直接お店に希望を伝えることができ、消費者である学生自身が製品開発に携わることができる参加型コミュニティの構築を目的としています。また、店舗側は、常に消費者から改善点や新しいアイデアを収集することができ、積極的な商品開発につながります。単純に、「新商品の開発に協力する」のではなく、店舗が持続的にPDCAサイクル³を回しながら良質な製品開発に取り組めるシステムを生み出すことにチャレンジしました。他にも価格システム部からは、食品ロスを減らす取り組みとして、ダイナミックプライジング?を導入した価格制度の提案を行っています。営業時間終了後に安くなった商品を予約販売する案などもあり、金銭的に余裕のない学生と商品の廃棄を減らしたい店舗をつなげる狙いです。


?用語解説?
3.PDCAサイクル
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったもの。PDCAを繰り返すことで、業務や製品、管理体制などの課題を発見?改善し、質の向上を行う。

4.ダイナミックプライジング
市場における需要と供給の状況に応じて価格を変動させ、利益を最大化する手法。
(例:宿泊施設などで需要が集中する休日は料金を割高にし、需要を抑制し、平日は割安にし需要を喚起する。)

 

さらなる“快適なランチタイムの創造”に向けて!

 各セクションが、経営学?商学?会計学などの観点から意見を出し合い、LINE公式アカウントを活用したプラットフォームは完成間近。プラットフォームの運用はまだこれからですが、徳丸ゼミではこれからも活動を続け、NEWLYBORNの課題解決と、学生の楽しく快適なランチタイムの創造に挑戦していきます。