2023.05.25 トピックス 【経済学部】基礎演習Aで「日経読み方講座」を実施 教育?研究

世の中には、経済成長率や国内総生産(GDP)、消費者物価指数(CPI)、失業率など、経済の状態を表す経済指標といわれるものがあります。これらの見方、読み解き方を一から学修し、経済の動きをつかむことで、日々の生活や卒業後の仕事に役立てるなど、将来を見通す力を身につける、これが本学経済学部の特色である「実学としての経済学」です。ここで言う経済の動きや経済事情を把握するには、精度が高い最新の記事が掲載されている経済新聞を継続的に読むことが効果的です。しかし、限られた時間の中で豊富な情報が掲載されている経済新聞から的確に情報を得るには読み方のコツを学ぶ必要があります。

5月22日(月)に行われた基礎演習Aの授業では、日本経済新聞社 大阪本社 ASUより萩原 貴大様にお越しいただき、日本経済新聞(以下、日経新聞)の読み方について講演をしていただきました。

 
■日経新聞を読むメリットについて
一つは、経済学部で学ぶ授業の内容と日常生活がつながり、より経済学への理解が深まることです。日経新聞を読むことで、GDPやCPI、政策金利等のような日々の授業で学ぶ言葉が現実のニュースとどう関係しているかを知ることができます。また、記事に出てくる企業を目にすることで、就職活動に向けて様々な企業情報?業界動向を知ることができるので、就活に活かせることもメリットとして挙げられます。
そのほかにも、世の中のトピックをビジネスの視点で分析することで、市場の先を読む力を磨き、ビジネスのヒントを得ることもできます。例えば、昨年のワールドベースボールクラシック(WBC)を例に挙げると、動画配信サービス「プライム?ビデオ」によるネット配信を手掛けたアマゾンジャパンのTV向け視聴端末の販売が6割も増加したという記事があります。この記事では、WBCを単なるスポーツイベントとしてだけではなく、ビジネスとしてどのように収益化されたか記載されており、ビジネスのヒントを垣間見ることができます。このように、日経新聞は、ビジネスの視点から書かれた記事が特徴となっています。

 
■日経新聞の読み方について
学生全員に日経新聞が配布され、萩原先生は、まず「合図をするまで読めるだけ読んでみてください」とお題を与え、新聞を読む時間がスタート。学生たちは新聞を広げて読み始めるも、1面読むのがやっとで苦戦している様子でした。
ここでいよいよ日経新聞の読み方のコツの伝授です。新聞は最初から全文を読む必要はなく、見出しと前文で内容をつかみ、最後まで読むべき記事か、途中まで読めば十分な記事か判断して読み進めていくことが読み方のコツとのことでした。このコツをもとに再度学生たちは新聞を読みました。すると、新聞をめくる音も増え、多くの学生がスムーズに記事を読めている様子が見受けられました。また、以前に起きた出来事(ニュース)が現在の出来事につながっており、連続ドラマのように、読み続けて予備知識が増えていけば記事の内容を素早く理解できるようになっていくとのことです。
 


今回、学生たちは「実学としての経済学」の修得につながる、経済事情を知る一つの方法を学ぶことができました。経済学部では、併せてミクロ経済学、マクロ経済学などの経済理論についても基礎から学び、経済学的な考え方を実際に役立てる力を身につけていきます。今回の学びが、学生たちの日々の生活に役立つものとなっていくことを期待します。

<日本経済新聞>
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